コロナとウンチ。便からも出てる?!

新型コロナウイルスの症状として、
まず思いつく症状は「発熱」と「咳」。

ただし小児の場合は、微熱でしかも1日だけだったり、
あまりこうした症状が目立たない例が多いことは、以前も書きました。

子どもがコロナにかかると、どんな症状が出るの?

 

そして小児の新型コロナの症状として、一定の割合で報告されているのが「下痢」。
今回は、下痢の症状や、便へのウイルスの排泄について見ていきたいと思います。

下痢は約40%?報告によってバラつきも大きい。

小児の新型コロナウイルスの症状として、
下痢の割合はどれくらい見られるのでしょうか。

かなり幅はありますが
「少ないものだと1ケタ%・多いと60%で、下痢が見られた」
とする報告もあります。

 

“SARS-CoV-2 infection in children.”
小児171人の症例について。
小児だけを集めた報告としては、なかなか多い数です。

下痢は 8.8 %、嘔吐は 6.4 % でした。
発熱(41.5 %)や咳(48.5%)と比べるとだいぶ少ない割合です。

 

“Detection of covid-19 in children in early january 2020, in Wuhan, China.”
武漢に近い1病院での、小児6人の報告。
中央値は3歳で、全員、基礎疾患なし。

嘔吐は 40%
で、先ほどの報告よりもぐっと割合があがります。

 

“Clinical features of severe pediatric patients with coronavirus disease 2019 in Wuhan: a single center’s observational study.”
小児8人、しかも重症だった症例を集めた報告です。

下痢 37.5 %、嘔気や嘔吐 50% 。
発熱(75 %)や咳(75 %)には及びませんが、まずまずの割合です。

 

“Characteristics of pediatric SARS- CoV-2 infection and potential evidence for persistent fecal viral shedding.”
鼻腔・咽頭のPCRで陽性となった、小児10人について。

なおこちらの報告では、下痢は60%と高い割合ですが、
そもそも便中排泄にターゲットを絞るために症例を選んだ研究というのもあり、
必然的に割合が高くなっています。

 

小児の報告といっても、症例の数や年齢、重症度、病院の地域も異なりますので、
当然症状の割合にもばらつきが出てきます。

一般的にウイルスの感染症は、体の中の色々な場所でを起こすものですが、
コロナウイルスも一定の割合で、下痢や嘔吐などを起こすんだ、
とザックリした受け止め方が良いと思います。

ノドからは出ず「便からだけ」ウイルスが検出された子も。


新型コロナウイルスのPCR検査を出す際に、
現時点では鼻咽頭(鼻からノドにかけて棒をつっこむ)が推奨されています。

ところが、このようなノドの検査は陰性だったにもかかわらず、
便からだけ2週間、ウイルスが検出された小児の1例
が報告されています。

 

“Detection of novel coronavirus by PT-PCR in stool specimen from asymptomatic child, China.”
PCR陽性者と濃厚接触歴あった、10歳男児。
症状はありませんでしたが、濃厚接触があったため、検査に至りました。

下記の経過中で、鼻腔・咽頭のPCRはずっと陰性。
便からのみ、ウイルスが出続けた、という経過です。

1月9日~1月15日 陽性者と濃厚接触
1月30日 受診
2月1日 便でのPCRが陽性
2月2日 CT:異常なし

2月5日 Abidol hydrochloride開始(ウミフェノビル:抗ウイルス薬)
2月12日と2月14日に、2回連続で便のPCR陰性を確認

 

便からウイルスが出たといっても、
便中のウイルスに、どこまで感染能力があるかは、現時点では不明です。

ただし症状がない小児であっても、便からウイルスが出ており、
もしかしたら便から感染させる可能性があるかもしれない

と認識しておくことは大事なように思います。

 

そして、症状のない小児にここまで検査をしつづけて、
抗ウイルス薬も投与した、ということについては、
なかなか議論の余地があります。

「感染させる能力がないかもしれない子どもに、
副作用が出るかもしれない・新型コロナへの効果が証明されていない薬を投与した。」

・・・と考えるか、
「少しでも他人に感染させる恐れがある、
万が一症状が重症化しうる可能性がある、と考えて、
抗ウイルス薬でしっかり治療した。」

・・・と考えるか。

難しいところです。

 

便からは、ハナ・ノドよりも長期間、ウイルスが出る可能性。

しかも便からは、より長く、ウイルスが出続けたという報告もあります。

“Characteristics of pediatric SARS- CoV-2 infection and potential evidence for persistent fecal viral shedding.”
さきほども触れた、小児10人の報告です。
ハナ・ノドよりも長期間にわたって、
便からウイルスが出る可能性
を示しています。

鼻咽頭からのウイルス量は、入院1週間前後で減少傾向がみられました。
これに対して、便からは、咽頭よりもダラダラとした量が検出され続けたと。
入院4週間後も、まだ便から検出された例もありました。

実際に8人が、鼻咽頭からのウイルスが陰性になった後も、
便からのウイルスは陽性
になっていたということです。

さらに2人は、2回連続で便での陰性を確認して、退院したあとも、
再び便でのウイルスが陽性
になったという報告です。

(それぞれ退院してから、6日後と13日後)


とにかく便からは、ダラダラと出つづける、ということがわかります。
ただしこれも先ほどと同様、便中のウイルスから、
どれくらいの人にうつす能力があるかは不明です。

 

感染した妊婦から生まれた赤ちゃんも、便でウイルス陽性の報告あり

 

新型コロナウイルスに感染した妊婦さんから、
生まれた赤ちゃんについての影響については、前に触れました。

妊婦がコロナに感染すると、赤ちゃんにどんな影響が出るの?

 

そのような赤ちゃんでも、ノドからだけでなく、
便からも陽性になったという報告
があります。

“Neonatal early-onset infection with SARS-CoV-2 in 33 neonates born to mothers with COVID-19 in Wuhan, China.”
感染した妊婦から生まれた、3人の新生児について。

2人は40週、のこり1人は31週。
3人とも、帝王切開で生まれた赤ちゃんです。

全員に発熱と肺炎があり、生まれて2日後に、
咽頭と便、いずれもウイルス陽性が判明
しました。

生まれて6~7日後で咽頭や便のウイルスは陰性になったとのことです。


生まれてすぐに出る便、つまり赤ちゃんがまだ哺乳をする前に出る便から、

ウイルスが出たということは、やはり妊婦さんのお腹の中にいたときに、
すでに感染していた可能性が考えれます。

ちなみに1人の赤ちゃんは嘔吐の症状があったようですが、
のこり2人に嘔吐があったかは不明。
下痢に関しても、そもそも新生児は便の回数が多いので、
判断が難しいですが、どの程度だったのか不明です。

 

 

ウンチがらみのコロナについて、見てみました。

繰り返しますが、これらの報告からわかるのは、
あくまで「新型コロナウイルスに感染した子どもは、
便からもウイルスが出ていたよ」ということだけ
です。


便中のウイルスがどこまで感染性があるのかはわかりませんし、
便だけから検出された子を治療すべきかも、わかりません。

 

ただし一般的なほかのウイルス感染症であっても、
たとえば手足口病のように、糞口感染、
つまり便からも感染性が高いウイルスはあります。

 

新型コロナウイルスもそうである可能性を考えて、
あらためて排泄ケア後の手洗いを徹底したいものです。
コロナに効く、正しい手洗いは?

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