小児科専門医試験③
(以下の内容は、今後、小児科専門医試験を受けようと思っている医師向けです。)
今回は、書類関係についてです✏
※細かな点は受験年度によって変わる可能性もありますので、
受験年度の要項を第一に参照してください。
下記はあくまで第13回の受験についての記載です。
最初にざっくりとしたポイントをいくつか・・・
・会員歴証明書を、4月いっぱいまでに請求する。
これ忘れがち!!
書類の提出自体は5月ですが、その前に別途、
学会にこの証明書を請求する必要があります。
12月に次年度の受験要項が発表されたら、
なるべく早いうちに請求しちゃいましょう。
・なるべく早く提出すれば、早く帰れる(と思う)。
公言されているわけではないですが、
提出書類が事務局に届いた順番でほぼ、
受験番号が決まっているようです。
早く提出すれば、2日目の面接(受験番号順)も早く終わるので、
早く帰れる、というのは一般的な流れのようです。
・書類を訂正するとき注意。
正式な書類を訂正する場合、修正ペンなどを使わない、
というのはもはや社会常識でもありますが・・・
それ以外にも、「二重線+自分の訂正印」でOKなのか、
「指導医の訂正印」がいるのか、
書類ごとに違うので注意が必要です。
・臨床研修修了(見込み)証明書のサインは「指導責任医」。
学会に、病院ごとで登録している「指導責任医」のサインでないとNGです。
単に症例を受け持っていたときの上級医・指導医、のサインではダメということです。
例年これで10人ちかく、書類不備あつかいになっています。
・臨床研修修了登録証は「厚生労働省」発行のもの。
初期研修を修了したことを証明する書類。
病院独自に発行する賞状などでは受験できません。
「厚生労働省」が発行した正式な書類が必要です。
発行に数ヶ月かかる場合もあるので確認を。
これも例年数人~10人ちかくが書類不備あつかいになっています。
・コピーが必要ないか注意。
医師免許証など、各個人で大事な書類は、もちろんコピーのみの提出でOK。
一方で、症例要約指導証明書などは、コピー+オリジナルの両方が必要。
論文もコピーが必要。
など書類ごとで色々指定があるので注意です。
・ホチキス止めの指定に注意。
第13回では、
「会員歴証明書、医師免許証コピー、臨床研修修了登録証コピー、受験料振込受領書コピー」
をまとめてホチキス止めするよう指示あり。
・「小児科専門医試験出願用封筒」に入れて「簡易書留」で提出する。
この専用封筒は、第13回から導入されたよう?です。
A4丸々はいる大きめの水色封筒の裏側に、
「~~を記載したか」などのチェックボックスがついていて、
全てを確認&チェックをつけます。
この専用封筒に必要書類をいれて、簡易書留で郵送します。
郵便局で提出したときに、控え番号が渡されるので、
その後は、簡易書留の追跡サービスで届いたか確認できます。
都内からなら、翌日に到着が確認できました。
・とりあえず要項よく読む。
そのほか、フォントや、同封する返信用封筒のサイズ・貼る切手の種類などなど、
細かな指定が沢山あります。
ひたすらよく読んで、書類ではじかれないように注意します。
・提出した書類のコピーをとっておく。
提出したあとに「あ、やば、あれってちゃんと書いたかな」とか、焦るものです。
第13回の試験以後は、原則として後日提出・訂正は受けつけておらず、
提出した後にミスに気づいてもどうしようもないかもしれませんが・・・
少なくとも「あ、よかった、ちゃんと書いてた!」と提出後でもコピーで確認できれば、
安心材料になると思います。
また、書類のおそらく一番のヤマである、
「症例要約」と「論文」についても簡単に記載します。
***症例要約について***
下記の先生のブログなどに、重要なポイントはまとめてくださっているので、
ぜひ参考にされてください👇
https://blog.kcrt.net/2014/12/27/211828
そのほか、フォント・行数、月齢の書き方、各領域で最低2症例必要、外来は3症例まで・・・
など、細かな点は受験年度の要項をよく読みましょう。
こちらでは、それ以外のプチ情報を書きます。
意外と間違えやすい分野選択
各症例ごとに、分野を選んで、症例要約に記載するのですが、
注意しないとたしかに、これ間違いやすいです。
間違いやすい例が、受験要項にも記載されているのですが、
私も最初、そのとおりに間違えてました💦
間違えていたのは、この2つ👇
ケトン性低血糖
◯正しい選択 (2)栄養障害・代謝性疾患・消化器疾患
✕間違った選択 (3)先天代謝異常、内分泌疾患
鎖肛
◯正しい選択 (2)栄養障害・代謝性疾患・消化器疾患
✕間違った選択 (3)遺伝、先天奇形、染色体異常
また「選んだ分野に重点を置いた書き方をする」のも大切です。
要項にも例が記載されていますが、たとえば、
Down症候群+先天性心疾患の診断で入院した症例の場合は、
「(1)遺伝・先天奇形・染色体異常」あるいは「(7)循環器疾患」
いずれの分野を選択することもできます。
ただし(1)を選んだにもかかわらず、先天性心疾患の経過について重点的に書かれていると、
(1)つまりDown症候群としての記載が不十分であるので「分野わけ不適切」、
つまりその症例要約は点数がもらえず0点扱いになる可能性があります。
私の場合は、Down症候群+肺炎で入院した症例を「(1)遺伝・先天奇形・染色体異常」
として選びました。
なので、入院での肺炎治療については1行程度でごく簡単に記載し、
その後Down症候群としてどのように当院でフォローしたかなどを詳細に書きました。
最終チェックは必ず紙媒体で
コンピューター上だと赤い波線が出たりして、
いわゆる一般的な誤字脱字は検出されます。
が、医学用語の変換ミスなどは検出されないです。
上の先生にもチェックしてもらって、さぁこれで提出しようかな~、
と最終チェックしていたら、
「膜様部(心室中隔欠損症)」が「膜腰部」
になってましたwww
そのほか、受持期間が「2017年5月●日~2016年6月●日」とかになっていたり・・・
こういうのって、なんか画面上よりも、
プリントアウトした紙媒体のほうか気づきませんか?!
誤字脱字が数個くらいあったところで、別に落とされはしないと思いますが、
あまりに多い場合は確実に減点対象になります。
採血結果はマジでシンプルに
「簡潔さ」も五大評価項目の一つです。
丁寧に書くべき「保護者への説明」なども含めると、
30行以内に収めるのは実はなかなか難しいです・・・
そこで、診断に関係のない採血結果などは非常にシンプルでOKです。
たとえば(心臓などの)大きな合併症のない13トリソミーが、
出生後入院してから自宅療養で退院するまでの症例要約の場合、
入院(出生)時採血は「特記所見なし(異常なし)」だけでも良いくらいです。
逆に、診断や鑑別に必要な採血所見は必ず書かないといけません。
採血に限らず、ピンポイントに必要な所見を選んで書く、のが結構むずかしい作業でした。
小慢・難病センターのHPを使おう
猿線って医学的用語で言うとなんだっけ・・・など、
とくに染色体疾患などで奇形を表現するときに、
正式な医学用語で記載する必要があります。
もちろんネルソンやその他の清書を参考にするのも良いですが、
小児慢性特定疾病情報センター や 難病情報センター
のページを使うのも非常に便利でした。
稀な疾患だけどポイントをおさえておきたい!という時など、
筆記試験対策としても使えると思います。
症例要約は色々と苦労する書類ですが、
基本的な注意点に気をつければ、ほぼ98%以上がパスしている書類審査です。
あとはCD-Rにちゃんと焼けていることを確認、でしょうか。
(wordファイル保存名や、CD-Rへの受験者名の記入なども指定があります・・・)
***論文について***
第11回から、筆頭著者での論文提出が必須になりました。
この論文のせいなのかは不明ですが、第10回(862名)→第11回(446名)に受験者数が減少。
第12回は以後は500名以上、と少し盛り返してきています。
そもそも「論文になる題材を探す→書く→提出→査読→掲載受理」は、
めーーーーちゃめちゃ時間がかかります💦
日本小児科学会雑誌の場合でも、採択までに約200日かかるそうです。
別に日本小児科学会雑誌でなくとも、
その他の指定雑誌(「脳と発達」など。23雑誌の指定。)でも構いません。
さらに「No.25 小児科関連の商業誌(など)」でも、査読制度のある雑誌で、
内容が適切だと判断されればOKです。
私の場合も、商業誌(小児科◯療)さんに、要保護児童などについての論文を提出しました。
受験1年前の5月に提出→査読で3回リターン→12月に掲載受理の連絡→著者校正→受験年の8月に掲載
・・・って本当に1年コースでした💦
私のように、5月の出願時点でまだ掲載はされていない。
でも掲載受理はされていて、もうすぐ誌面に掲載される予定!
という場合も、もちろん出願は可能です。
「掲載が決定している論文の『受理証明書』」と「論文原稿のコピー」
を一緒に提出すればOKです。
ちなみに12月に掲載受理のメールが来てから、「受理証明書」が発行されるまでは、
幸い1か月もかからなかったです。
私のように指定雑誌以外での論文の場合は、
投稿規定のコピー(該当箇所に蛍光ペンでマーク)や、
著者名に蛍光ペンでマークする、などなど・・・・
これまた書類上の指定が要項に記載されています。
漏れないように注意しましょう。
山のような書類を書いて、無事に受理されれば、
(例年)7月に受験票が届きます。
いつも中旬くらいまでには届いていましたが、
第13回では下旬ぎりぎりで結構遅めでした。
小児科学会HPでも「受験票を発送しました」とお知らせしてくれます。